住宅ローン借り換えにかかる諸費用

前のページ「借り換える住宅ローンを検証してみる」でも説明しましたが、住宅ローンの借り換えでメリットが出るケースは次の図式に当てはまる場合でした。

現在の住宅ローンの今後の総返済額 > 借り換える住宅ローンの今後の総返済額 + 諸費用

「現在の住宅ローンの今後の総返済額」、「借り換える住宅ローンの今後の総返済額」は全期間固定金利型でしたらその額ははっきりしていますし、固定金利期間選択型、変動金利型であれば金利の前提を決めればある程度は算出可能です。

ここで問題になってくるのが、住宅ローンの借り換えに一体いくらの諸経費がかかるかということです。

借り換えと言っても、現在借入れている住宅ローンを一旦完済して、新たにその残高で住宅ローンを借りる形になるわけですから、手続き的には住宅ローンを新たに借り入れることと同じです。

ですから、当初借り入れしたときと同じような諸費用も必要になります。

借り換えを検討する場合には、金利のみならず、この諸費用も含めてトータルで判断する必要があるんです。

ここでは住宅ローン借り換えにかかる諸費用について見ていきましょう。

 

住宅ローン借り換えに必要な諸費用の具体例

ある意味新規で住宅ローンを借りるような手続きになりますから、印紙税、手数料、保証料、登記費用などがかかります。

借入額や返済年数によって変わりますし、金融機関によって金額は異なります。

数十万円はかかる場合が多いので、この諸費用を支払っても借り換えのメリットがあるのかどうかを判断しなければなりません。

住宅ローン契約書に貼付する印紙税

借入金額 印紙税額(1通又は1冊につき)
100万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円

 

保証料

保証料は借入金額、返済年数によって決まりますが、その金額は金融機関(保証会社)のよって異なります。

保証料なしの金融機関もありますので、事前によく確認しておく必要があります。(住宅金融支援機構のフラット35やソニー銀行などのネット銀行などは保証料のかからないものがあります)

次の金額は、住宅ローン1000万円あたりの大まかな金額の目安です。

返済期間 保証料
10年 85,000円程度
20年 150,000円程度
30年 190,000円程度

ですから、住宅ローンの金額が3,000万円、返済期間が30年とすれば約57万円の保証料がかかってしまいます。

結構大きいですよね。

上記の保証料は、住宅ローンを借りるときに一括で支払う「一括払い方式」の金額です。

「一括払い方式」のほかに、住宅ローンの金利に上乗せして払う「金利上乗せ方式」もあります。

これまで借りていた住宅ローンの保証料を「一括払い方式」で支払っていたのであれば、住宅ローンの借り換えで住宅ローンを完済する形になりますので、残債に対する保証料は返ってきます。

 

融資事務手数料

融資事務手数料とは、住宅ローンを組む時に金融機関に支払う手数料のことです。

手数料は「定額」で支払うパターンと、「借入額の0.5~2%」ほど支払うパターンがあります。

定額の場合、手数料は税抜で30,000円~100,000円位まで金融機関によって異なります。

借入額に対する割合の場合は税抜で2%のところが多いようです。

金融機関は何に対しても手数料を取りますよね。

上述の手数料は税抜ですので、実際はそれに消費税がかかり定額の場合でしたら32,400円から108,000円、2%の料率の場合2.16%の支払いが必要です。

借入金額が少なければ料率の方が有利になりますし、借入金額が多ければ定額の方が有利になります。

 

抵当権抹消費用

現在借りている住宅ローンの抵当権の抹消手続きが必要になります。(同じ金融機関で借り換える場合は原則不要です)

抵当権抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円です。

しかし、その手続きを司法書士などに依頼した場合には司法書士報酬もかかります。

報酬は司法書士によっては異なりますが1~2万円程度が目安となります。

 

抵当権設定費用

新たに借り入れる住宅ローンに設定する担保権の手続きが必要になります。(同じ金融機関で借り換える場合は原則不要です)

抵当権設定にかかる登録免許税は、借入額の0.4%です。

登記申請は通常司法書士に依頼する事が一般的で司法書士報酬もかかります。

報酬は司法書士によって異なりますが3~10万円程度が目安とまります。

 

抵当権の抹消や設定の費用は、同じ金融機関で住宅ローンを借り換えるのであれば原則不要です。

住宅ローンを他の金融機関で借り換える場合はこの鉄好きが必ず必要になります。

登録免許税はどの司法書士に依頼しても金額は変わりませんが、司法書士への報酬はその司法書士によりかなり差があります。

新しく住宅ローンを借り入れる金融機関から司法書士を紹介されることが一般的ですが、できるだけ報酬の安い蘇峰書士を選ぶことも大切です。

登記については本当は自分で行うこともできますが、住宅ローンの借り換えの場合は金融機関が認めてくれない場合が多く、難しいかもしれません。

ご参考までに自分で陶器を行う方法については姉妹サイトの「木造注文住宅の家づくり.com」の「家を建てる不動産登記を自分でやってみる」のページをご参照ください。

 

2,000万円の住宅ローンを返済期間20年で借り換えた場合の諸費用は

具体例として,2,000万円の住宅ローンを返済期間20年で借り換えた場合の諸費用について計算してみましょう。

上述のように諸費用は金融機関や司法書士によって異なりますので、あくまでも参考値としてお考え下さい。

諸経費の項目 金額(概算)
印紙税 20,000円
保証料 300,000円程度
融資事務手数料 54,000円
(定額の税抜50,000円で試算)
抵当権抹消費用 登録免許税 1,000円
司法書士報酬 15,000円
合計 16,000円
抵当権設定費用 登録免許税 80,000円
(借入額の0.4%)
司法書士報酬 70,000円
合計 150,000円
合計 540,000円

こんな感じで、約540,000円の費用が掛かることになります。

 

諸費用の準備

上述のように、住宅ローンの借り換えには数十万円の諸費用がかかります。

預貯金から負担するのが望ましいのですが、まとまった金額でもあり、預貯金での支払いが難しい場合には次のような方法もあります。

諸費用分も借り入れする

金融機関によっては住宅ローンの借り換えで発生する諸費用を住宅ローン残高に上乗せして借り入れできる場合や、諸費用ローンを別途利用する場合があります。

ただし注意が必要なことは、いずれのケースでもローンの残高は諸経費の分増えてしまい、諸費用分にも金利がかかるということです。

金利負担が増えることになりますので、そこを含めて借り換えのメリットがあるかどうか確認することが重要です。

保証料なしや手数料の低い住宅ローンを利用する

上記シミュレーションのように数十万円の諸費用のうち、その大部分が保証料になります。

保証料がなければ諸費用の負担はグッと軽くなりますので、保証料なしの住宅ローンを利用するのも一つの方法です。

住宅金融支援機構のフラット35やソニー銀行などのネット銀行などは保証料のかからないものがあります。

ただし、保証料がなくても手数料が高い住宅ローンもありますので、保証料・手数料の両方を確認することが大切です。

保証料内枠方式を利用する

上記シミュレーションは、借り入れ時に一括支払いする方法(外枠方式)で算出しています。

保証料はこの他に借り入れ時には支払わず、金利に上乗せして毎回支払っていく方法(内枠方式)もあります。

内枠方式を利用した場合の金利は、0.2%程度のところが多いようです。

当然金利が高くなる分、返済額も増えることになります。

総額の保証料では外枠方式の方が内枠方式より断然低くなりますが、一括での支払いが難しい場合などには検討するのも一つの方法です。

 

まとめ

住宅ローン借り換えにかかる諸費用は決して安いものではありません。

住宅ローンの借り換えを検討する際は、借り換えによる金利メリットにこの諸費用を加味して、トータルでメリットが出なければ意味はありません。

総合的に検討し、諸費用を支払っても返済額の低減につながるのであれば、住宅ローンの借り換えを行いましょう。

その場合は少しでも早い方がメリットが大きくなります。

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